監督はマイケル・チミノ。
『ディア・ハンター (1978)』でアカデミー賞を受賞したその勢いのまま、本作でラジー賞を獲ってしまい、挙げ句に映画会社を潰したと言う、曰く付きの作品を観賞。
そんな本作だが、言われる程悪くはない。
公開当時の批評の原因は、移民問題を扱った事よりも、219分の本編を149分まで削った事によるストーリーの破綻が一番大きかったのではないかと思う。
─と言う訳で完全版を観賞したのだが、まぁそれでも中身が無くてやや退屈。基本的に男女の三角関係のみで物語が進行して行くので、これで4時間はかなり地味。ディア・ハンターを薄くしたかのようである。
しかしながら、制作費が掛かっているだけあって、舞台である1890年代にタイムスリップしたかのように画が美しいのは事実。その時代の”におい”を体感して欲しいと言う監督の意図は十分に感じ取れた作品。