さすらい農場

アウトローのさすらい農場のレビュー・感想・評価

アウトロー(1976年製作の映画)
5.0
ー 灰から灰へ 塵から塵へ
主は与え 奪いたもう ー

  『だが、俺は忘れない』

クリントイーストウッド監督第5作目は、アメリカ建国200年記念大作
南北戦争直後の物語
7丁の銃を持ち[一人の軍隊]と恐れられたアウトロー ジョージー・ウェルズ
農夫だった彼は、暴徒に妻と息子を惨殺され復讐に燃えていた

世界に絶望し、無法者として追われながらも
人を助けながら仲間が増えていく展開が嬉しい
…先住民、ハラペコ犬
 頑固婆さん、不思議ちゃん…
復讐に囚われながら、人から必要とされる事で
復讐を超えて再生していく男

はぐれ者同士だからこそ築ける新天地
互いに[痛み]を知るから気づける新世界
だが時に古傷ズキズキうずき
 失われた過去が見せる悲しき蜃気楼
  そして奪った者は思い知るだろう
   暴力の連鎖から生まれる者はアウトロー
 🦅

初めて先住民をコミカルで魅力的に表現した映画
終盤の先住民族長との[心の対峙]は映画史に残る名場面

マカロニウエスタンの[自由さ] [激しさ]と
正統派西部劇の[魂][歴史の重み]を融合した
イーストウッド・ウエスタンの完成形!

〈余談〉
冒頭で殺害される子役は実子のカイル・イーストウッド氏