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私生活のない女のooospemのレビュー・感想・評価

私生活のない女(1984年製作の映画)
5.0
美しい肢体をさらけ出し体当たり的に踊り、撮られ、形のない夢を貪るように生きるエセル、自己表現を渇望する死にものぐるいの映像作家、自我や常識を失った錯乱状態のテロリスト、彼らの脅迫的な狂気の炸裂は止まることを知らず、自己と他者、生と死、幻想と現実、芸術とメディア消費の境目をないまぜにしていき虚無へ辿り着く、こんな情熱的な悲劇があって、いいこと?ダメだよ!
最初の、ベティ・ブルーの女の子を思わせる半裸めの衣装と、ビルを背景に大股で歩くエセルを撮ったあおり気味のショットからオーー!となって(語彙力)、すごいぞこれ、しかもどう撮ってるの?となるエロティックなカメラワークが素晴らしいこと、後で確認したら《去年マリエンバートで》の撮影・サッシャヴィエルニだって納得。
ズラウスキーすごい、大好き。感情的な言葉しか出てこない。もっと観たい。
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