708

夢売るふたりの708のレビュー・感想・評価

夢売るふたり(2012年製作の映画)
2.0
厳しい生活を10年間傍で支えてきた献身的な妻と、天性の人たらしな夫。だからこそ、火事以前、店があれだけ繁盛していたのだろう。火事と夫の浮気を原因に、結婚詐欺がはじまるわけなのだが、エスカレートするにつれ次第に募る罪悪感と虚しさ。もちろん妻と夫で感ずるところはそれぞれ違っているよう。

妻は浮気に対する怒りや悔しさを糧に、夫を結婚詐欺に焚き付けていたものの、夫の人生に乗っかるだけの自分と気付かされたり、解消できないフラストレーションは溜まる一方だったり。ちょっと気の毒。夫は、結婚詐欺の相手女性たちの生き方や考え方を自分に重ねるようなところがあって、共感性の高い時間を過ごすことに幸せを見出すこともあったのかもしれない。まあこういう人は実際にいそう。

だからといって結局何が言いたいのか分からないし、盛り上がりそうで盛り上がらない話で、えっ?これで終わり?という感じだった。観賞後、他の人の感想を読んでいるうちに、登場人物と感情の機微は見えてきたが、話としてはかなり分かりづらい。そもそも焼き鳥が炎上するところから無理があるだろうと。もはや火事いらなかったのではという気までしてくる。
708

708