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夢売るふたりのcherryのレビュー・感想・評価

夢売るふたり(2012年製作の映画)
3.7
ただただ松たか子が凄い!映画「告白」を観た時もその目力が凄いと思ったけど、今作でもかなり光っていた。
今作は火事になった小料理屋を取り戻すべく、夫婦が結婚詐欺をやっていく物語。自分たちの夢の為にとはいえ、やっていることは詐欺だから全体的に暗くなりそうだけど、阿部サダヲの人の良さそうなキャラクターから今作はすごく楽しげなものになっていると思う。

松たか子演じる里子が女性たちの気持ちを汲み取り、そこへ夫である阿部サダヲを操っていくのが面白かった。
松たか子が目で合図を出して、阿部サダヲはその通りに行動を起こす。前半では、そんな2人の小料理屋再建の為に結婚詐欺をしていく姿がテンポよく、楽しく描かれていた。

でも後半からは2人の考えていることの違いがはっきりとなり始めて、そこからの松たか子の目で魅せる演技も良かった。高ぶった感情を表に出そうとするけど、自分の中で思いとどまって、自分の中にしまい込んで、にっこりと笑いかける演技は本当に凄かった。
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