YP子

マイ・ドッグ・スキップのYP子のネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ドッグ・スキップ(2000年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

だめだ。
だめだだめだだめだ。
だめだ!!!
せつなすぎる!!!

少年と犬。

このセットの映画や、動物系の映画。
わたし本当にだめなんです。
絶対泣いちゃうし、絶対せつないから。
だって、動物は人間よりも寿命が短い。
動物系の映画は結構途中で動物が死んじゃう事も多い。
だから観ないようにしてるの。

なのに…このDVDレンタルした日は仕事で疲れまくってて
動物を欲していて、ものすごく自然に借りてしまっていた!
ルンルン楽しい映画かも♫って思ってさ。


1942年、戦争の暗い影をみんなどこかに抱えている
アメリカ・ミシシッピーの片田舎が舞台。

8歳の少年、ウィリーとジャック・ラッセル・テリアのスキップのお話。
実話が基となっている。

大人になったウィリーが子供時代を振り返りながら語っている設定。

ほんと直球なペット系映画。
まわりはみんな大家族だったりするのに、ウィリーは一人っ子で、しかも友達は隣の家の大学生くらいのお兄ちゃんしかい。
同年代の子にはいじめられていて、まるでドラえもんがいない頃ののび太くん状態。
そこへ、ドラえもん的ポジションでスキップがウィリーの家にやってくる。

そして、スキップと共に成長していって、いじめられっ子だったウィリーはスキップにいろんな事を教わっていく。
友達もできたし、街一番かわいい女の子と仲良くなって、フットボールも教えてくれて、森の冒険にだっていった。

ウィリーは小さな男の子から少年になり若者になって、大人になっていった。


一見、大した事件とかもないし、どこの家庭や近所にもありそうな成長の話し。
みんなが通ってきたような少年時代の話し。
なんだけど、逆にそれがグッときた。
自分の子供時代とかぶるかぶる。
大人ウィリーの語りがものすごく的をえていて、自分の子供の頃と自然と比べていた。


少年ウィリーは、のび太的存在からどんどん絶好調になって、途中から調子のってたけど、調子乗りすぎてスキップを失いかけてしまう。
ちょっとウィリー調子乗りすぎじゃない!?って思っちゃう人もいるだろうけど、
まだ10歳にもなってない子供だもん。
そりゃ調子くらい乗るよね。
でもちゃんとそこからまた失敗して学んでる。
これぞ、子供時代。
こうやって失敗から色々学んで大きくなっていくんだよね。
ちゃんと学べてるのは、ラストらへんで黒人さんの野球プレーを認めていたところで分かるよね。


少年ウィリー役の子が、かわいすぎる!!
もうたまらないくらいかわいい。しかも服が何気におしゃれ。
この時代の服装っておしゃれだよね。
子供だけど、デニムにサスペンダーに皮のブーツ。
チェックのシャツやキャスケット!

スキップは言うまでもない。
かわいくないわけがない。もんのすごくかわいい。
ジャック・ラッセル・テリア。
もうかわいくてかわいくてメロメロ。

あと、ケヴィン・ベーコン!!!
かっこよすぎる。渋い。最高。
不器用な父、見事でした。


なんかもう、何もないシーンとかでも「少年と犬」ってだけで涙が出そうになるくらい最高の光景だよね。


映画がラストになるにつれ、もう涙腺はずっと崩壊しっぱなし!!
スキップが殺されかけたところとか。
スキップが一命をとりとめたところとか。
ウィリーがイギリスへ旅立つシーンとか。
もう、涙流しっぱなし!

せつない。

そして、一番泣いたのはウィリーが旅立った後。
ウィリーが乗ったバスを最後まで見つめてるスキップ。
ウィリーがいなくなった部屋に「くぅーん…」と言いながら戻り、ウィリーのベッドに寝そべる。すごく寂しそうに。

もうここ、見てられないくらい泣いた。

なぜなら、まったく同じ経験を私もしてるからです(涙)
実家から遠く離れたところに私は住んでるんだけど、実家で飼ってる愛犬ダックスが私が帰省して帰った後ずっと私のにおいが残ってる場所やベッドで「くぅーん…」と言っているらしいの…
でいっつも私は帰省してまた実家を出るときに、愛犬がまた泣くのかな…って思ってせつなくて涙をこらえながら飛行機に乗るの(涙)

もうそれを思い出しちゃって、涙がとまらなかった!


犬のあの真っ直ぐな目。
けなげな行動、忠誠心。
犬が人間に与えてくれるものの大きさ。

これだけでも涙腺も崩壊だし、言葉にできないこみ上げてくる感情でいっぱいになるのに、この映画はさらにシンプルだけど的確に捉えた人間の成長模様まで描かれている。

こう、なんていうか、人間の宿命的なせつなさ?というか…
無邪気な子供時代から大人になっていくにあたって、仕方ない別れとか、誰もがいつか死ぬこととか、親離れ子離れのせつなさとか、なんかそういうやつ。

もうわかりきってる事だし、今までの人生の中でも何回も考えてきた事だけど、絶対最後はせつなくなるからもう考えないようにしてた事を、
この映画はドーーーーーンと、ど直球に現していた。


だからすごくせつないんだけど、しっくりくる話しだった。
シンプルで、ど直球で、人間に必要なせつなさ。

とてもいい映画だった。
そんなしょっちゅう観返すにはハードすぎるけど
人生の節々で、たまに観返したくなる1本でした。


セリフより。

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最もいとおしいのは 子供時代の日々。

なぜ子供のころは時が早くたつよう願うのか。
みんな早く大人になりたがる。
でも大人になると、まったくその逆だ。

懐かしい日々の記憶には、甘く切ない姿が浮かぶ。
一人っ子だった僕と忠実で愛情深い犬。
生きるつらさや、子供時代の様々な試練を支えてくれた。

忠誠心と愛情こそが、何より大切な
生涯忘れぬ宝となった。
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あぁ。
思い出すだけで、涙がでてきてしまう。

素晴らしい映画でした。
YP子

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