西川美和監督デビュー作品。
西川監督の映画結構好き。
一見普通の幸せそうな家庭が、実は嘘ばかりで、父は失業して借金苦だったのを隠していて、認知症のお爺ちゃんと上手くやってるように見えた母は限界だったり、葬儀で急に現れた兄が来たあたりからめちゃくちゃになっていく。中身はどん底で重いんだけど、宮迫演じる詐欺師の兄がなんか憎めなくて、ブラックでコミカルに描かれている。認知症の爺ちゃんの咀嚼音とか気持ち悪いけどなんかリズミカルで、ファンクのお経とかはじまりの音楽もカッコ良い。
家族を通じて日本人の気持ち悪い腹黒さというか我慢強さというか見栄と本音みたいなとことかが見え隠れしていた。
あの家族の父みたいにうちの親も人には良い顔して帰ってからなんか言ったりとかしてたなとか思い出したり。
取り繕っていたものが崩れてどうしようもなくなったら、兄の言いなりになる両親とか…
つみきみほさんってあんまり目立った作品出てないけど、真面目なこの役ぴったりだったな。
そして終盤が良かった。
蛇いちごって毒があるように見えて無毒なんだよね。山のシーンドキドキしたけど、あぁ、兄ちゃんのこと信じたら良かったかなって思った。
