あやと

浮き雲のあやとのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
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生きる糧となる仕事にあぶれ、どん底に落ちても、支えてくれる人がいるだけで踏ん張れる
揺れ動く不安と希望と奮起の中で、ただ追いかける漂い続けるあなたの心

敗者三部作第一作

という内容だけど、アキ・カウリスマキのこの劇然とした描写に、撮ってる側の感情が見えないために遠巻きに社会を風刺しているようでもあって目が離せない
複雑化している現代の映画に対して、やっぱり直球な表現のみで勝負する彼の作品が好みかも

ラスト、お客さんが来る来ないでここまで固唾を飲んで、現場仕事の人たちが来たとき、この作品で初めてイロナ役のカティ・オウティネンが見せた笑顔が最高のハイライト
ようやっと、すっぽりと旦那さんの腕の中に奥さんは身を任せたなと 愛おしい

そしてこの作品通して映画音楽がめちゃくちゃ良い 心地よい
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