浮き雲の作品情報・感想・評価

「浮き雲」に投稿された感想・評価

an

anの感想・評価

4.0
物語の文法としては明らかにおかしいのに、ああそうなのねと気づいたら身を任せているこの感じはなんだろう…カウリスマキ作品では理由や動機がことごとく省略される。
Ricola

Ricolaの感想・評価

4.2
今まで観たカウリスマキ監督の作品の中で、一番心から前向きになれるものだった。

わりとワンパターンで、出てくる俳優さんも同じような顔ぶれでも毎回飽きることはない。
いつも安定の雰囲気と新しい発見のどちらもがある。

真面目に生きて自分を信じていれば這い上がることはできる、そう強く思わされた。
ペイン

ペインの感想・評価

4.7
これぞ“ライフ・イズ・ビューティフル”

いや~素晴らしすぎました。無性に小津安二郎の映画が観たくなりました(笑)

流石は“ハリウッドは幼稚園”と言い切ってしまうカウリスマキ。ハリウッド映画にはない心の機微の描き方、丁寧さがこの作品にはあります。

こんなにとんとん拍子で不幸って続くものなのか?という感じではあるがそれでも登場人物たちは表情ひとつ変えない。よく日本映画にありがちな“ウーッ”とか“ワーッ”とか泣きわめいたり感情を吐き出す演出は一切ない。

ジムジャームッシュもそうだが、どこまでも淡々としていて日常的な描写が続くのにクスクス笑えるところもあり観ていて“ちゃんと面白い”ところが素晴らしい。

カウリスマキはこう言っています。「映画とは、一日一生懸命働いた人が その日の終わりにリラックスし、楽しむた めに観るエンターテインメント だ」と……。 重ねて、「映画によってその日をリフレッシュできて、翌日良い人間関係が築けるのであれば、その映画は成功じゃないかと思う」と。

そう、まさに映画を観た後にその日の疲れがとれ、ちょっと心が軽くなるような本当に素敵な映画。

5点満点でも良かったですがこれからいろいろカウリスマキの作品を観ていく予定なのでそれらの作品に期待を込めてこの点数。
DVD鑑賞

新作が公開間近なのでアキカウリスマキの過去作復習してます。
「ラヴィ・ド・ボエーム」「愛しのタチアナ」に続き3本目。

学生の頃に観た時は独特の会話のテンポが面白いなーくらいにしか思わなかったけど、改めて観直すと素晴らしいです。
不幸の連続(決して語られることのない過去の不幸と犬の存在)に決して絶望しないこと、その先にきっと未来はあるはずだ。ラストの夫婦、そして犬のショットに泣いてしまう。
ひろき

ひろきの感想・評価

4.0
敗者三部作 I
社会的敗者に向けた冷酷さ。社会の厳しさ。そんな世の中でも道を外さなければいつか救われる。ジョークがジョークでないよう聴こえてしまう。
壁紙を食ってしのぐさ。
マッティ・ペロンパーに捧ぐ。。
いつだって背中を少しだけ押してくれるカウリスマキ作品。押し付けがましくない優しさ
子供のことがあって、今は犬を。

明日はきっと…
コバチ

コバチの感想・評価

4.0
淡々とした、シュールな人生の苦渋を、小さい胸糞を垣間見せられて、

けど最後は、清々しい風が吹いていった。
なつ

なつの感想・評価

5.0
アキカウリスマキは、素晴らしいね。

不況で失職した夫婦が職探しに苦労し、途方にくれる姿を描く。
真っ当な、真面目に生きてきた人が報われない世の中は絶対に間違っている。
監督の描く世界は、人も、ワンコも、何だろう…“公平”だ。
本当に、後味が佳い。

めっちゃ無表情なキスシーン、
そっと肩に手を置く仕草。
夫婦を心配げに見つめるワンコの瞳。
そしてラスト…
“希望”がある、希望を捨てない姿に泣いた。
*カウリスマキでは、これが一番好き。

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに観るアキ-カウリスマキの映画。彼の映画を初めて観てから何年ぐらいの時が経ったであろう。結構、当時は衝撃的な感じを持っていたのだけれど、その毒に慣れたというか、毒が少なくなったのか、ブラックなユーモアは少し軽くなった分、ラストもハッピーエンドであった。
しかし、フィンランドという国は明るさというのは、無いのだろうか。確かに北欧は太陽の恵みが、他の国々から比べると少ないし、その気候は、そこに住む人々に少なくとも影響を与えているとは思うけれど、実際の暮らしぶりというのは、どういうものなのだろうか、分からなくなってきた。
市電の運転手とレストランの給仕長という組み合わせの夫婦が、時を同じうくして、職を失ってしまうところから物語は始まるので、全く希望のない暗い話である。ほとんどの題材が、こういった傾向の主人公ばかりなのだが、(絶望的なマッチ工場の少女、自殺願望を持つ元水道局員、売れない芸術家等々)今回も生活をしていくために必要である最低限の職業をも奪ってしまった。だが、主人公たちは、決して、絶望はせずに、次ぐ次と職を求めていく。いわば、基本的な部分で崩れそうで崩れない人物を追って、笑いを取っている訳である。アキ-カウリスマキは基本的には笑いを目指しているのだろうと思う。その笑いの「笑」が作り事というのではなく、状況としてそのような立場に立たされてしまった者の、ギリギリのラインでの微笑み程度の笑いを目指している。
だから、大笑いをする箇所というのは、全くないはずで、こぼれるような笑いの連続であることからも、これが分かる。
実際の人生の中において、大笑いする事は、どこかに偽りの匂いを嗅がざるを得ないのではないかと、思っている自分にとっては、共感をする笑いなのだけれど、今回はその回数が少ない。意識してそのようにしたのは、何故だろうか?
ラスト、レストランを始めた主人公がうまそうに煙草を吸うところで、この映画のテーマは集約されるのだろうけれど、何か古き善き時代のハリウッドの映画のような感覚さえ覚えた。
物語は主人公夫婦に起こる不幸で転がっていくが、過去に起こった極めて大きな不幸をも示すことでより深い味わいが出ている。犬を飼っていること、またラストショットに犬のいることの持つ重大さが際立つ。と思った。
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