浮き雲の作品情報・感想・評価

「浮き雲」に投稿された感想・評価

otom

otomの感想・評価

4.3
笑っちゃう程に不幸な夫婦なのだが、病める時も健やかなる時も全く相手を責めない。それが沁みる。そしてダサいロックはやっぱり流れる。良作。
兇悪そのものなブレッソンや小津のタッチをハハッと流せてホッとさせる腹の底から快感
果歩

果歩の感想・評価

3.9
不況の中での失業。現実的で真面目な内容。でもカウリスマキ感はしっかり全開。あかんかったときにぶっ倒れる夫おもろい。希望のかなたと似とる部分多い
カウリスマキの作品は好きなものばかりだけど、強いてベストを挙げるならこの作品か。

失業者の苦境と再起という主題は後の作品に通じるものがあり、作品の洗練具合もそれまでの積み重ねが結実したものがあり、色々な意味でカウリスマキを代表する作品となっている。

作品それ自体としても序盤の路面電車内の侘しくもロマンチックな一時や中盤の老人たちの歌とダンス等心に沁みる場面が多々見られ、話としても作品全体で弱き者たちへの憐憫の情がひしひしと作りに見ている側としても同情を禁じ得ず、それ故に最後で細やかな希望が見えるとこちらも嬉しくなるのだけど、淡々とした描き方でここまで感情移入させる作りにできるのは流石としか言い様が無い。

映画館に飾られたポスターがジャームッシュにブレッソンにジャン・ヴィゴの代表作という趣味全開のラインナップだったり、酒飲みのシェフだけ悪酔いしないよう最後の乾杯のときオレンジジュースが配られていたりと、小ネタにもカウリスマキらしい面白さがあってこの抜け目無さもまた良い。

この作品でコンペティション部門に出品されてからカンヌの常連と化すカウリスマキであるけど、こんな独特で愛おしい世界観の監督を贔屓したくなるのは当然のことだろう。

しかしカウリスマキ作品を知ったばかりの頃はよくわからなかったけれども、ラストに挿入される「マッティ・ペロンパーに捧ぐ」の文言には今見るとしんみりせずにはいられない。
lisa

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3.8
生きてれば色々あるよねって、まったりゆったりしながら観れる。
イロナが見入ってるテレビ画面は1回も映らないし、新聞の見出しも映らない。2人が見る空も映らない。ずっと第三者目線のカメラがいいなぁ。

人と人の関わり方もちょうどいい。最初にほとんど人物が出てきて、消えては忘れた頃に出てくる感じ。同じ時代に同じ場所で生きてるから、久々に会っても境遇は一緒で、悲しい事なのに何となく安心するというか愛しくなるというか。
明るくも暗くもなく、起こった事を受け止めて対処して進んでく、人生の縮図みたいな映画。
アキ・カウリスマキは魅せ方を心得ている。
おなじみの独特の音楽センスと無愛想な女の人を使って本当にうまくまとめる。
manuca

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3.0
ラストに夫婦で見上げる空。でも空は写さない。音楽の使い方センスあるなー。オープニングも好きです。
s

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4.7
浮き沈みの人生
アキさん好きだわ〜
落ちるとこまで落ち、だけどふわふわと浮上できるのが人生だよねって
この労働階級の世界観描かせたら 勝てる人いないんじゃないかな
宇京

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4.1
もう朝だってことくらいもちろんわかっているしコートを着たままなのも煙草を吸いすぎなのもわかっている、そのうち手放すことになるだろう、ローンで購入したテレビを見ることもない、たぶん考えごとをしてるから、けっきょく、あなたが淹れてくれたコーヒーは眠ってしまったので飲めなかった。血塗れのあなたからの遠い港からの公衆電話、助けをもとめるどころか仕事が見つかったと嘘をつくこのひとのことを信頼したくなる、けれど待たないと答えたあなたは電話をきらずに受話器を手放して、不在になる、赤い花の花束、テレビとソファの返却にたちあい、あなたはいない、映画館の妹をたよりにあなたと再会するドラマが省略されて、床でけいさんするあなたのためにもういちどコーヒーを淹れる。音がはじまるまえのピアノはうごかないという冒頭から、ひとつの音楽をもとめて、いくつかの方法のなかの任意のひとつとして空を見上げる。
chihi

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3.9
独特の空気。素敵な夫婦。
美男美女が登場したり感情豊かに演じたりしなくても、こんなにじんわり伝わる映画ができるんだなぁ、と。しみじみ。
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