レタス太郎

ロバと王女のレタス太郎のレビュー・感想・評価

ロバと王女(1970年製作の映画)
3.5
古い映像ですが新鮮に感じるものが多くて凄く面白かったです。
まずストーリーの根幹に近親相姦という世界的にもタブーな設定があった事に驚きました。色彩豊かで明るく幻想的な世界観がある一方で根幹には重いものが隠れている様で引き込まれました。日本昔話とかでも童話って割とダークな設定が多いですね。

映像表現も非常に挑戦的で赤と青の対照的なインパクトのある色彩感覚や、一見シュールな逆再生を使った演出など随所に製作陣の創意工夫が感じ取れました。個人的には仮面武道会の真っ白な衣装と不気味とも美しいとも言える仮面と踊りが素晴らしかったです。

私が古い映像作品を観た経験があまりないからなのでしょうか。現代の映像作品にみられる演出表現の土台を見たような新鮮さが「ロバの皮と王女」から感じられました。

ケーキに指輪入れたら危なくない⁉︎とか馬車が走っている時代にヘリコプター出てきたら周りの反応もっと過激なものじゃないのかなとか面白いシーンが何回も出てきて最後まで本当に退屈せずに楽しめました。
素晴らしい作品です。
レタス太郎

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