Haruki

いとこ同志のHarukiのレビュー・感想・評価

いとこ同志(1959年製作の映画)
4.3
ヌーヴェルヴァーグの中心的存在クロード・シャブロルによる青春映画。

従兄弟ながら性格は正反対の2人が同居をはじめることから、2人の人生と運命が交錯するさまを描いている。

享楽的なポールと勤勉なシャルルの"アリとキリギリス"的生活が綴られるが、その構図と結末はイソップ寓話などではなく当時の社会をエッジィに反映させた現代寓話である。

フロランスも交えた3人の奇妙な共同生活が、さらにポールとシャルルの関係を乱していく。

都会と田舎、享楽と勤勉といった二項対立、そして恋愛や将来に対する虚無感と世界に向けた嗜虐性。

モーツァルトやワーグナーの音楽やカメラワークが、2人の物語を印象的に演出している。

現代寓話でありながら、かなり映画的な作品。
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