ナギサ

脱獄広島殺人囚のナギサのレビュー・感想・評価

脱獄広島殺人囚(1974年製作の映画)
-
大脱出のような洋画の緻密でスタイリッシュな脱獄物とは大いに性質の異なる種類の脱獄映画である。前者がテクニカルにハードルを超えていくことを描いているのに対し、今作は泥臭くひたすら娑婆へ出ることを望む自由への渇望を追っているのでそもそも扱うテーマが違う。

最後はやけくそになってムショ内でも構わず人殺しまくって最終的に刑期が30年超えになって「脱獄することが目的の脱獄」になってるあたりが、反省とか諦めとかこの男にはないのか……凄まじいタフネスさだった。
結末は東映実録やくざ物のいつものパターンぶつ切り風呂敷広げっぱなし。
ナギサ

ナギサ