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白蛇伝のhasseのレビュー・感想・評価

白蛇伝(1958年製作の映画)
3.3
日本の初カラー劇場映画作品(1958年公開)。
Wiki調べだが、企画の発端は、東宝と香港ショウブラザーズの共同実写映画『白夫人の妖恋』アニメ化企画が東映に持ち込まれたこと。東映の社長は、ヒットしているアニメ映画といえばディズニーくらいしかなかった時代に、日本でもアニメ制作体制を整えれば、一つの産業となるのではと見込んでいた。
ただ、東映はノウハウがなかったので当時最大手のアニメ制作会社日動映画を買収し東映動画が発足、二年がかりで人材登用・育成をはかり本作の完成にこぎつけたらしい。

その努力の甲斐あって、カラーの彩色も豊かで、キャラクターもぬるぬる動く、作画的に非常に完成度の高い作品に仕上がっていると思う。ストーリーの物足りなさや説教臭いナレーションは当然あるが。宮崎駿も本作がアニメーターになるきっかけの一つだったそうだから、日本アニメ映画史において重要な作品だ。

主人公のお供にジャイアントパンダとレッサーパンダがいるのだが、ジャイアントパンダがフィジカルお化けで、自分の倍も図体のでかい豚の拳骨を食らってもノーダメージで返り討ちにする謎のパンダ無双シーンは面白かった。殴る時も殴られる時も無感情・無表情なのがツボ。こいつかなりの手練れだ…!
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