ぽち

孫文の義士団のぽちのレビュー・感想・評価

孫文の義士団(2009年製作の映画)
1.1
完全に崩壊しているストーリーと設定。ここまで支離滅裂な作品も珍しい。

題名やあらすじからてっきり「ラスト・エンペラー」系の歴史劇かと思ったら、途中からキナ臭いニオイがしてきて、囮を使うというあたりで完全に崩壊。
コメディ以上に笑わせてくれる。

アクション映画だと割り切ったとしても、それを見せるための筋書きがあまりに強引で、おまけに後半のお涙頂戴的な演出、ストーリー展開がもう笑いを誘っているように見えてしまう。
一人ずつ倒されて感動的に死んでるけど、まるでダーウィン賞の授賞式を見ているようだ。

脚本に4人も名があるが、誰一人「これ、まずいんじゃね?」って思わなかったのかが不思議だ。
もちろん監督も撮っていて「あれ?」って思わなかったのだろうか。

書き出したらきりが無いツッコミだが簡潔に。
誰が孫文か分かるように船から降りるな。
街中通るな。
地下に入ったら囮いらないじゃん。
母親の所から帰るな。
人力車から降りて銃撃しろ。

って言うか、来ることを宣伝するなよ!御忍びで来ればこのどんちゃん騒ぎは全く必要ない。

後半の脱力感を楽しめる人にはお勧め。基本的にコメディだと思って、大げさに倒されていく同志を指さして笑って観る作品。

おっと、一番の笑い所は「命かけて清朝倒して、得られたのが今の独裁政治」ってとこかな。

今作を観て怒った中国政府も同レベルだな。



余談。
思いっきり孫文をヨイショした内容だが、実際の孫文はかなりいい加減で日和見的な人だったことがちょっと調べるとすぐ分かる。

思想も時と場合でコロコロ変わるし、逃げ足は一流ですぐ国外逃亡するし・・・・

重婚もへっちゃらで、その上愛人を大ぴらに連れ歩くといういい加減さはちょっと羨ましい。笑
ぽち

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