むぶどん

ゴースト&ダークネスのむぶどんのネタバレレビュー・内容・結末

ゴースト&ダークネス(1996年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

「実話を基にした映画って塩梅が難しいよね」のトークにぴったりの映画で、"ツァボの人喰いライオン"による獣害事件がモデル。実話とは言え映画化に当たって再構成は必須だとは思うんだけど、『ジョーズ』をなぞった展開と実話特有の淡々とした作りが混在していて、作品の立ち位置がハッキリしないのが勿体ない。とはいえ実話をそのまま落とし込むと大作レベルの尺になっちゃうよなー……。
架空の人物を演じるマイケル・ダグラスの扱いの悪さも惜しいところ。午後ローのクレジットではヴァル・キルマー(本来の主役)を押しのけて先頭に出るぐらいで、彼の存在感はかなり救いになっているはずなんだけど、人物造形と作中の扱いが雑すぎるんですよね。あれほどインパクトのあるキャラにするなら、もっと吹っ切れた方が良かったんでは。でも、度合いによっては原案以下にもなっちゃいそうでなあ。この、煮え切らない感じ……。
肝心のライオンの描写はとても良かった。獰猛ゆえの恐ろしさと不気味さがバッチリ反映されていて、アクションも違和感なかったし。唸り声だけが聴こえるシーンは完全に『プレデター2』で笑っちゃったけども。ウン十人も喰ってりゃ、どこぞの醜い顔と同じく化け物ですよ。なんとまあ……。