一休

クリスマス・キャロルの一休のレビュー・感想・評価

クリスマス・キャロル(1970年製作の映画)
5.0
オイラが中学生の頃は、クリスマス時期になると決まってこの映画をNHKで放映していたものである。仏教徒であるオイラの家では、クリスマスだからといって特に何をするわけでもなかったのだが、オイラ自身がひそかにこの【クリスマス・キャロル】を楽しみにしていたものだ。

チャールズ・ディケンズ原作のこの物語はあまりにも有名なので、映画のストーリー云々という事はないだろう。
しかし、その物語をミュージカル仕立にしており、登場人物の感情表現場面で歌を重ねている。
アルバート・フィニー演じるところのスクルージが、映画の初めでは憎憎しげな、悋気色の強い歌を唄っているのに、それが三人の幽霊の訪問を受けるうちに、寂しい歌になり、喜びの歌になって行く様はクリスマスという己を省みる日にふさわしい展開である。

ただ、未来のクリスマスで「Thank you, berry much♪Thank you, berry much♪」と唄う姿は、悲哀を通り越して恐怖さえ感じさせる。
こういった演出を見事にこなすのは、さすがフィニーであると言えるかもしれない。

ちなみに、スクルージの共同経営者であったマーレーの亡霊は、これも名優のアレックス・ギネスが演じており、鎖だらけの姿でコミカルな演技を見せてくれている。

それにしても、この映画に限らず、イギリス映画に出てくる子役は、なんでこう可愛いのだろうと思ってしまうのだが、名子役であったマーク・レスターがどんな風になったかを知っているので、ラドクリフも妙な顔になるんだろうなと思う一休であった。
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