新しく引っ越した家でポルターガイストに遭遇した主人公のドラマではあるが、主人公は途中からポルターガイストの霊に理解を示していくため恐怖の対象が主人公から途中様々な人物に振り分けられていくので肝心の恐怖が分散されている印象に。やはりホラーは主人公とそのグループに限定した方が、恐怖という感情が主人公と観客でシンクロしやすく集中できるのかも。
それでも後年のJホラーに通じる誰もいない空間で物が勝手に動いたり音がするといった心がゾワゾワする恐怖は見ごたえがあるし、空であるはずの浴槽から出てくる水のなかのあいつは怖すぎて悲鳴を上げてしまった。何もない部屋を捉えるカメラワークも見事な仕事ぶりで恐怖心を盛り上げる。
あとポルターガイストは一体何をしたかったのか今一つ不明だったり(主人公がすぐ出ていった場合どうしたんだろう)、ラストなんであんなことしたのかとか突っ込み所が結構多いのも気になった。
調査するうちに霊と感情がシンクロし、『翔べ!必殺うらごろし』の中村敦夫のような半ば憑依状態と化したジョージ・C・スコットの熱演も見所。