HDリマスター、読売テレビ版日本語吹替。
タイトルや盤のジャケットからしてホラーなのかと思いきや、なんてことはない。
ただのクソダサコメディー。(先ずは褒め言葉として…)
大量殺人鬼として今まさにこの瞬間にも電気椅子の刑にかけられようとしてるビック。
無実を訴えるためにそれまでの経緯を述べながら回想シーンがスタート。
……いや遅い遅い、裁判で述べえよ。
80年代の勢い満載のまさにドタバタ感が現代にはない…ハイテンションの。。
正直なところ、“ここが凄い!素晴らしい!傑作の極み!”
みたいな部分はないのでめっちゃ期待するだけ損。
監督サム・ライミ。
脚本にはコーエンブラザーズ。
80年代カルト映画チーム。
…といえば「死霊のはらわた」。
…といえば、ブルース・キャンベル も出演。
ブルース・キャンベルのキャラの濃さは「死霊のはらわた」よりも本作ぐらいの出方がちょうどいい。
原題は“Crime Wave”。
犯罪の急増…
邦題の「XYZマーダーズ」とは?
どうやらXYZという名のラムベースのカクテルがあるらしく、アルファベットの最後の三文字であることから、これ以上のものは無い。究極の意味であるとかなんとか。
“究極の犯罪、究極の殺人鬼”
とにかく、劇中登場する主人公ビックたちを襲う殺人鬼コンビをこれ以上はない殺人鬼という意匠をこめてお送りしたかった配給会社の思惑とは、裏腹に本編のバカバカしさに拍車をかけた邦題になっていることは間違いない。
クライマックス…と言えるのか、他の作品ではクライマックスと言えるであろうシーンはハラハラドキドキより、それまでに劇中で培われたアホなピタゴラスイッチのような、バカバカしい展開の頂点なので、ある意味クライマックスのシーンのカーチェイスシーンは、撮影技法に対しての“なるほど”と失笑のせめぎ合い。
観るものに謎の緊張感を与える。
ただ、これはサムライミの技術、持ってる能力による賜物であると確信し、覚悟して観るとそれなり以上に十分に楽しめる。
「XYZマーダーズ」本編86分。
「スパイダーマン3」本編139分。
俺にとってこの2つにそんなに差はなかったりする。