三樹夫

ドーン・オブ・ザ・デッドの三樹夫のレビュー・感想・評価

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)
3.7
走るゾンビ映画。従来のノロノロゾンビは1対1だとそれほど脅威ではないのだが、数が増えるにつれて手に負えなくなり数の暴力でおされていくという真綿で首を絞められるのが魅力だ。一方、走るゾンビは追いかけられるハラハラドキドキが観ている者を刺激する。
走るゾンビでよくあるのは、ドアの所まで走っていこうとするのだがゾンビに追いかけられ追いつかれそう、寸前のところでドアに滑り込みドアを閉めようとするのだがゾンビの手がドアの隙間からのびてくる、もちろん引っかき傷一つすら終わりを意味するので早く閉めて早く閉めてと焦る、と即効的なサスペンス演出で観客を惹きつける。噛まれたら、引っ掻かれたら感染というゾンビならではの設定を利用したハラハラドキドキ演出だ。
ノロノロゾンビか走るゾンビどっちがいいかはもう好みの問題だろう。個人的にはノロノロゾンビの方が好きだけど。

ロメロ版ゾンビのゾンビは大量消費社会のメタファーでノロノロ歩くことに意味があった。生前のかすかな記憶でショッピングモールに集まってさまよってるのが、現実のモールに意味もなく集まってうろうろしてる人たちと同じで、目的もなくモールに来てダラダラしてる人たちはゾンビと変わらんという皮肉になっている。
ただしこの映画はエンタメ特化型だ。この映画のゾンビは走っている。1体だけでもかなりな脅威だ。俺がこの映画の世界に放り込まれたら速攻でゾンビになってる。
この映画はゾンビ映画のツボは押さえられていると思う。ショッピングモールの立て篭もりも観ててちゃんと楽しそうにみえるし、ちょっとだけだけどエロもある。
三樹夫

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