極楽蝶

馬鹿まるだしの極楽蝶のレビュー・感想・評価

馬鹿まるだし(1964年製作の映画)
3.5
「男はつらいよ」シリーズの原点を感じる若き山田洋次監督の快作。「無法松の一生」へのオマージュ。
愚直でマドンナに弱い安五郎(ハナ肇)とマドンナ夏子(桑野みゆき)は、「無法松の一生」の安五郎とよし子の関係そのもの。そして「男はつらいよ」シリーズの寅さんとマドンナだよねぇ! 律儀に劇中劇で「無法松の一生」が演じられ、「国定忠治」のような任侠ものが好きだと言っていた安五郎が芝居にのめり込み無法松に共感し、自分のように感じている(笑) お人好しで愚直な安五郎は町の人に利用されているけれど、本人は人助けと至ってまじめなところは、まるで寅さんだねぇ(笑)
ノンクレジットだけれども植木等さんが出てくると聞いていたけど、ナレーションの声ばかりで、どこに出てくるのかと思ったらラストで大きなって住職になったボンだったとは(笑) そっか、この映画はボンの回想で綴られていたんだぁ!
ところで、安五郎がアップになったときに感じたけどハナ肇さんの目って二重で愛らしいですねぇ(笑) 途中から親分などと言われて任侠的な安五郎の心根がこの目に映っているように感じたなぁ。桑野みゆきも美しい女優さんですが、笑顔が愛らしくて良いですねぇ。
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