馬鹿まるだしの作品情報・感想・評価・動画配信

「馬鹿まるだし」に投稿された感想・評価

煙突に登ってビビるハナ肇に酒を呑ませるのは逆に危ないのでは?と思ったり。
Saadiyat

Saadiyatの感想・評価

3.6
いけます。佳作コメディ。
戦争引きずりながら逞しく生きる日本人。
ほのかな恋心。労働運動でインターナショナルと人生劇場の歌がシンクロしたり。
ハナ肇やっぱり偉大です。桑野みゆき着物似合うなぁ。
馬鹿正直というやつなのだろうか。
山田洋次監督が手がける馬鹿シリーズの1作目。男はつらいよシリーズの5年も前の作品である。脚本にはあの加藤泰も名を連ねる。
シベリアから復員してきた安五郎をハナ肇が好演する。『無法松の一生』を意識した作り。頼まれると断れない男気のある男。破天荒でありながら人情的でもある。
クレイジーキャッツの面々に渥美清、藤山寛美、さらに小沢栄太郎も出演していてキャストはけっこう好み。
ラスト付近のハナ肇の表情が何とも言えない。
明かに「無法松の一生」へのオマージュだが、オリジナルを超えて山田洋次の世界を作り出している。必死に真面目にやっているが世間から疎んじられる人々を描く。この必死で真面目がないと喜劇にならないことを山田洋次は、実体験と知っているのだろう。ラスト近くのダイナマイトを持った脱獄囚に立ち向かいに行くときに、夏子から「バカね」と言われ、ダイナマイトが爆発しながらスローモーションで安五郎が吹っ飛ぶの見ながら、観客もバカだなーと目頭を熱くする、そんな喜劇。昔は、こういった喜劇が多かったかもしれないが、こういった作品は、もう見れない。全編通じて植木等が人事にいうナレーションが安五郎の一生懸命と正反対でおかしい。
『無法松の一生』への憧憬を隠そうともしない山田洋次。
『吹けば飛ぶよな男だが』同様、古典名作と『男はつらいよ』とのミッシングリンク(厳密には『寅次郎恋歌』)。
「無法松とハナハジメ」の関係性が30年後の『虹をつかむ男』で「寅次郎とニシダトシユキ」に転用されているところを見ると、よほど思い入れが強いんだろう。

熱量は高いが、もうひとつハナ肇を制御できてない感が漂う。
87分と短めでテンポがいいから見やすかった。ハナ肇ははまり役だったね、面白かった。喜劇だけど最後はすごい切ない。命の恩人を忘れるとかもう泣けてくる。しかし、あの少年の15年後を植木等がするのはさすがに無理があるかと。
てぃだ

てぃだの感想・評価

3.2
脚本が山田洋次に加藤泰
ってだけでもう既に最強な気がw



基本的には「男はつらいよ」とおんなじ感じ


崩れたヤクザ風情の風来坊が
でも変なとこは真っ直ぐな
感じとか

ハナさん
この役ぴったり
一生懸命のバカなら
別に悪い気持ちもしないし

まぁええか

という気にさせるのが上手
労働組合って絶滅したのかな。この時代の方が健全だったのかと思うと今が辛すぎる。
半兵衛

半兵衛の感想・評価

3.1
山田洋次がデビュー作の「二階の他人」から現代まで一貫して扱っている「ストレンジャー(突然の来訪者)」をはじめて大きく取り上げた作品。そして山田洋次監督のみならず、森崎東や加藤泰、鈴木則文にも影響を与えている(気がする)。

作品の内容はシベリア帰りの安五郎と、彼が住むことになった街の人々の交流を描いたもので、一見すると粗暴で短気で喧嘩っ早いが、実は気が優しくて親切な安五郎のキャラクターは寅さんをはじめ後の山田作品に登場するアウトロータイプの主人公のプロトタイプになっている(後の作品に比べるとまだ真面目な方で、今見ると物足りなさも感じるが)のが興味深い。あと寅さんはどことなく無法松っぽいなあと個人的に思っていたのだが、この映画では安五郎が舞台「無法松の一生」を見て自分とひそかに憧れている寺の未亡人との境遇に重ね合わせ涙を流すシーンが出てくる。原作にそういう場面があるのかもしれないけれど、後の寅さんのことも考えると繋がっているなあと思ってしまった。

ただそんな気のいい安五郎が街の人たちにおだてられいい気になり、図に乗って失敗し、落ち目になっていくという展開はやや図式的で、すぐ騙されてそれでも「任侠道」という言葉を口にして痩せ我慢する安五郎が痛々しくて見ていられなくのも事実。山田監督の演出も喜劇にしては重く、悲劇にしてはコミカルとまだ手探りしている状態なところも。でもそこから様々な作品を経て、「男はつらいよ」など洗練された作品を作っていくと思うと感慨深い。

でもこの映画に大きく寄与しているのは主人公・安五郎を演じるハナ肇の熱演だと思う。粗暴さと愛嬌、コミカルさと人情味…愛すべきアウトローの要素を見事に引き出し(ハナ肇本人の地かもしれないが)ている。こうしたハナ肇のキャラクターはハナ肇が最後に出た山田作品「遥かなる山の呼び声」まで引き継がれ、ラストの名シーンで結実する。

ちなみに脚本を加藤泰が担当しているが、加藤泰は馬鹿シリーズと同じ年に単純で気のいい暴れん坊を主人公にした「車夫遊侠伝 喧嘩辰」を製作している。更に言えばその二年後に作った代表作「沓掛時次郎 遊侠一匹」に安五郎を思わせる朝吉(渥美清!)が登場し、「馬鹿まるだし」以上に悲惨な最後を遂げる。そして加藤の弟子筋にあたる鈴木則文は彼らをよりコミカルにした星桃次郎を作り上げる。そう思うと映画史的にも重要な作品と言える。
あまりに酷な題名な気もするし、ぴったりな気もする。

戦後、シベリア帰りの主人公があるお寺に一晩ご厄介になる。その晩、盗人を捕まえた事から暫く居着く事に。一生懸命働き重宝される主人公。ただ、そのお寺には美しい女性がおりました…

ひとえに、その女性の為に一生懸命生きる一途な男の顛末を描く。後年の寅さんに通じる物がある。
一途に愛されるだけの説得力を持つ桑野みゆきさんの魅力全開。
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