倉持リネン

グッドフェローズの倉持リネンのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.0
🎬2024年劇場鑑賞6本目🎬

スコセッシによる実話ベースのマフィアもの。

11歳で小遣い稼ぎの為に小間使いとしてマフィアの仲間入りを果たしたヘンリー・ヒル、は紳士的なボスのジミーと同世代で激しい性格のトミーと3人で犯罪に手を染めつつ成り上がっていく。

金に物を言わせてジャズバーの特等席をこじ開けたり分厚い札束を腰に挟んだり愛人に家を与えたりとやりたい放題なのが見ていて気持ちいい。

また主人公のヒルはジミー、トミーと比較すると多少常識があるように描かれるので、自分もマフィア生活を楽しみつつも時折しれっと人を殺す2人にドン引きしている表情なども見れて共感を呼ぶ。


とにかく銃撃ちまくり殴りまくり人死にまくりであまりの酷さに(笑うしかなくて)笑っちゃうような作品なのだが、
ドキュメンタリー「ワーナーの100年」によるとこの様な「酷すぎて笑っちゃう」映画は本作以前には存在せず、
公開当時は「暴力行為をエンターテインメント的に描くなんて!」と批判が相次いだそう。

なるほど歴史の転換点的な作品なのだ。


また、一昨年亡くなった(遺作がコカインベアになっちゃったらしい)レイ・リオッタの出世作でもあり、気性が荒い激ヤバ倫理観のショーペシと穏やかだが激ヤバ倫理観のデニーロに振り回されて、ビビりつつも自分も激ヤバ倫理観になっていく主人公を好演している。

助演のロバート・デ・ニーロは常時最高の役者だが個人的に特に1985〜1995年辺りのデニーロの色気は凄まじいと思っているので本作もメロメロになりながら見た。


この後に続くスコセッシ×デニーロ×ショーペシの再共演「カジノ」を先に見ていたのだが、特にショーペシがブチ切れてデニーロが止めるシーンがだいたい一緒で笑っちゃった。お決まりの下りみたいになってる。


超どうでもいい余談だが、Wikipediaによると本作のタイトルの発音は正しくは「グッドフェローズ」ではなく「グッドフェラーズ」だが、

"単語のくだけた形を使用しないという日本映画界の慣行から、グッドフェラではなくグッドフェローズとつけられた"(コピペ)

だそう。

……いや、どう考えてもグッドフェラだと違う意味に聞こえちゃうからじゃねーの!?!?
と無粋にも考えてしまう、初夏の夜。
倉持リネン

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