えいこ

グッドフェローズのえいこのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
3.9
アイリッシュマンから逆に辿る若き日のデ・ニーロとジョー・ペシ。共通する構図やロングショット、カメラワークはスコセッシらしさなのだと実感。アイルランド系という言葉が時々出てきて勝手に繋がりを感じる。

ヘンリーとカレンのナレーションで物語が進んでいくが、ドラマらしいドラマはなく、大きなヤマは割とたやすく成功し、人は痴話喧嘩レベルであっけなく死んでいく。実話ベースらしいが、現実は案外そんなものなのかもしれない。

高笑いをしていたヘンリーたちが、小さな綻びを取り繕うことから追い詰められ、憔悴していく。ジョー・ペシの高音マシンガントークからの沈黙はキレる前振り。ホントに怖い。そしてもっと怖いのは、デ・ニーロの微笑み。グッドフェローズといいながら、葛藤もなく簡単に裏切り、利用し、バラす。ただ、欲にまかせて短絡的に事を運んでいく様子にはユーモアも感じられ、半ば呆れ気味に笑ってしまう。

ナレーションの距離感、ロックやR&B主体の音楽が効いているのかな。乾いた画面と洒脱な音楽でシニカルなマフィア映画として仕上がってる。
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