Apollo

花様年華のApolloのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
5.0
非常に“愛”のセンスを問われる作品だった
愛に形はない。だからこそ、想い合う者同士でしかつくり上げられない姿がある
チャイナドレス、食事、呼び鈴
2人だけの形をなして育まれる愛を、手探りでどこまでも追いかける
愛に窒息して悲しい。でも、浮かされた肺や脳、心は甘い夢心地だ

*****
自分の気持ちを表に出さない主人公と隣人女性
だが「もし○○だったらどうするか」という「ごっこ遊び」をした時、ようやく女性は気持ちを爆発させる
「ごっこ遊び」に包まないと明かせない感情。どうしてこんなにも自分の心にも“愛”にも臆病になったのか
その涙は大人の切なさに色濃く染まっていた

*****
簡潔な物語だが、ろくに語られない2人の関係
個人的には、2人は最後まで肉体における一線を越えなかった説を希望
越えた方が楽に説明がつくが、越えてなくてもすでに心を奪われてしまっていたのなら、いつまでもその人の事は大きな秘密だし、たとえ何一つ思い出が手元に残ってなくても愛してゆけるから
Apollo

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