キャメルの煙草を雀卓を囲って後ろ向きに座る旦那の元に届け、隣の席に優美に腰を降ろすマギー・チャンとすれ違いに席を立つトニー・レオンがスローモーションで交差する瞬間に、この緑色と緋色の相克する耽美的な世界へ一気に入った。
色彩設計が多少あざとい気もするが、ファンタジーだからそこらへんは許せる。ただボディがグリーンでルーフ部分がレッドのタクシーはやりすぎのような気もするが。やっぱレッド（赤色）でなくスカーレット（緋色）だしね。
狭いアパートのどこに大量のチャイナ・ドレスをしまっているか、とかの疑問を不毛に感じさせるマギー・チャンの魅力がすべてのような気がするが、屋台で雲呑を頬張る姿をスローのプロフィールで撮って画になる男はトニー・レオンだけだったりするので、簡単には言い切れない。
ただ、トニー・レオンのもとに駆けつけ、階段を駆け上るマギー・チャンは100点満点中、少なく見ても５億点だったのでやっぱり彼女の魅力の勝ちということで。
もううっとり。
