この世界には、あまりに良すぎて観たくない映画というのがあり、これはそういう映画。8年ぶりくらいかな…好きとか嫌いとかとかそういう話ではない、陶酔なんです
ふたりの逢瀬をカメラは正面から撮らず、常にドアの隙間やレストランの椅子越しに捉えていて、この隠し撮りの視線は誰のものなんだろうってずっと考えてた。
途中からそれは他でもない”観客”の目そのものなのだと気づいて、そこからは映画館に集まった人々同士で、覗き見を共有しているような気持ちになった。観客は無意識に覗きの視点から解放されることを望むわけだけど、カメラの解放が、同時にふたりの秘密、愛=the Mood for Loveの終わりなのだろうと予感させられる。ほんとすごい…
そして身動きできないフレームからついに解き放たれたカメラが、流れる様に最後に映すのが、誰もいなくなったカンボジアの遺跡と空…
あ〜言葉にならない。なんて素晴らしいんだ…
あと昔は気づかなかったけど、タイトルとエンドロールがカッッッコ良すぎる。エヴァとかの100000000倍良い。
2046見直そう…