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黒い罠のnonのレビュー・感想・評価

黒い罠(1958年製作の映画)
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3分以上の長回しのオープニングシーンは一見の価値あり。見事なカメラワークと配置構成が爽快だった。爆弾のチクタク音とサウンドトラックがリズムよく混じり合っていく音の演出も好き。

長回しやディープフォーカスによって空間の統一性・画面の深さを感じさせる場面が多い一方、緊張感のある場面では短いショットを連ねる編集も用いていて、物語の世界に取り込まれた。
モノクロの美しさにも魅力的。

アメリカとメキシコの間に存在する緊張状態や特定の人種への差別・偏見などの社会情勢が反映されているのも面白い。
キャラクター造形や画面の中に映り込むいろんな表象が一体何を象徴しているのか、どんな意味が込められているのか考えながら観ていくのが楽しかった。
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