黒い罠の作品情報・感想・評価

「黒い罠」に投稿された感想・評価

知らない奴の名前がドンドン出てきて、人間関係の説明もまったくなく、ポンポン話が進む。

ひとつの事件に対して物語が進行していくのではなく、結局のところ、ミステリーでもサスペンスでもなく、オーソン・ウェルズ演じるクィンランの人間ドラマだった。

正しさが捻じ曲がった老刑事の寂しい人生。
まるでリドリー・スコットの「悪の法則」のような、予め筋書きのあったような人生の悲しい因果。

オーソン・ウェルズの容姿の役作りからカメラワーク、カット割、そして「杖」に隠されたメッセージに見る緻密なシナリオ術。

視覚的に作劇的に充実した90分だった。
えーと、面白いです。伝説になってるらしい最初の長回し(3分20秒!)から、ハラハラドキドキ。登場人物が多くて迷子になりかけたけど、話は割とシンプル。監督主演のオーソン・ウェルズが、複雑で弱く憎たらしい役を好演。マレーネ・ディートリッヒがかっこいい。
こういうノワール好き。原作を読んだ「上海から来た女」も観てみたい。

このレビューはネタバレを含みます

最初の長回しはすごいなー。
結局、悪徳警官が捕まえてきた犯人は、みんな本当の罪人だったのではないだろうかと思えてくる余韻。間違いないと思っても、確かな証拠がなく、仕方がなく捏造してきたのかも。どっちにしても、やってはいけないこと。
何やら、最初のダイナマイト事件がぼやけてきて、あれ?何の話だっけ?になってしまい、このぐらいの評価に。
1958年のフィルム・ノワール、サスペンス映画
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アメリカとメキシコ国境近くの町を舞台に、警察署内部で重鎮となっているが実は裏側は腐りきっているアメリカの刑事ハンク(=オーソン・ウェルズ)と、その不正に気がついて探りを入れ始めるメキシコの刑事バーガス(=チャールトン・ヘストン)。ハンクはバーガスの動きに気づいて、バーガスの妻も巻き込んで彼を陥れようと、その不正(悪事)は更にエスカレートする・・・
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犯人をでっちあげるということは、アメリカでも昔からやられていたようですね。ストーリーを作りあげ、それに沿って犯人をでっちあげ、罪なき人を死刑にし、自分は手柄により昇進する。この作品ではハンク一人がこのような悪事を働き、回りの警察官たちはそれに気がつかないという設定。ちょっと極端すぎるというか都合よすぎるというか、そんな印象を受けました。最近日本の警察や検察で明るみになったように、組織ぐるみの体質から起きているのが現実の姿のようなので、この作品の設定は現実よりずっと可愛らしいとも言える。
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それよりこの作品は、冒頭シーンの長回しワンカットが凄い! 時限爆薬を仕掛けられた車が発進して町角を曲がって検問を通り抜け爆発するまで、車の下に近寄った低いアングルのカメラがみるみる高くなってビルを越え、引いたアングルでその車が入ってくる交差点の中に降りていき、人目線の高さで行きかう人々と次々とすれ違い、検問のやり取りまでを映し出す。カメラが上に下に、引いたり寄ったり大変な動きをする。こういう長回しはこの作品がはしりで、真似した作品が後にたくさんできたらしい。リハーサルも大変だろうし、相当なこだわり監督で、なおかつ力のある監督でないとこんなことはできない。
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もう一つ。作品が始まる前に、オーソン・ウェルズ監督の意向を無視して、ハリウッドの映画会社が勝手に作品を短縮して劇場公開しようとしたことに監督が抗議したことが紹介されます。1958年の公開はその抗議が無視されたものでしたが(劇場公開版93分)、ディレクターズカット版(1998年,108分)は監督の意向通りに編集された内容のようです。(私はディレクターズカット版を見たのですが、短縮版ではどこがカットされたのか、もちろん知らない)
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こういうエピソードを知るとオーソン・ウェルズという人に興味が湧いてきますが、それはwikiなどを見てください。なかなか興味深いです(ていうか、映画好きなのにそんなことも知らなかったのかと笑われるワ)。「市民ケーン」(1941)という異常なほど異常に評価が高い彼の作品が、なぜそんなに評価が高いのか少しわかった気がしました。けど、そんな裏話でなく作品だけから感じた印象で評価するので十分という思いに変わりはありませんが・・・
以前BSプレミアムシネマにて鑑賞。
アメリカとメキシコの国境付近で発生した車の爆破による殺人事件を巡るサスペンスで、冒頭の長回しから早速グッと引き込まれます。

オーソン・ウェルズの怪演がとにかく凄い。チャールトン・ヘストンが霞むくらいの存在感。モノクロの映像の効果もあって、その迫力をより一層感じました。

物語自体はよくあるサスペンスものですが、今から60年も前の映画らしく変な小細工は無いので直球の面白さを楽しめると思います。
画が印象的!!
アメコミとか出てくる一点透視法ばりばりの構図が多くてしかもカメラはなめらかに前後左右上下に動く!
ストーリーには入り込めない(劇的な展開とかはないからなのかな'けど、画面をずっと観てられる不思議。
オーソンウェルズ初でした。
初っ端の長回しからキマりまくっていた。どうしたって物語に新鮮味がないのが仕方ないけど、それが勿体ないほど演技やカメラが素晴らしかった。
harumijano

harumijanoの感想・評価

3.7
大した話じゃないのに
それを魅力的に見せてしまう
オーソン・ウェルズの力。
”眼差し”が持つ力を信じている映像の数々。黒の深みと瞳に宿る光に酔いしれる。
また、滑らかな移動の映画でもある。孤独な追跡、悪者の群れ、不穏に唸りを上げる車両…様々な運動に映画的意味が宿る。
ikumi

ikumiの感想・評価

3.8
オーソンウェルズが主人公の存在感食っちゃってる。こんなカリスマ的悪人って今いない気がする。
ターニャがパルプフィクションのユマサーマンぽかったのが自分の中でおもしろかった。
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