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ソラニンのERIのレビュー・感想・評価

ソラニン(2010年製作の映画)
3.7
浅野いにお原作の「ソラニン」を映画化した作品。原作を読んでいなかったし、なんとなく期待をせずに観たら、案外はまってしまった。演者さんも監督も、キャラクターのそれぞれの「そのときの」「気持ち」を丁寧に映しているからか、答えのないそこにある思いにとても魅せられてしまった。

三木監督のこの淡い世界観も、夏の日の夜に心地よかったです。

やっぱり宮﨑あおいちゃんはかわいくて、そして高良健吾さんのもろくてピュアで、どこにでもいそうな感じもとてもよかった。二人の距離感がよい。

ビリーや加藤さんや、あいちゃんのそのときそのときの、種田と芽衣子にかける言葉も、ぐっときます。みんなの主人公二人との距離感もよい。

「あー、なんで音楽を好きになっちゃったんだろう」とか。「毎回ふざけんなって思って、そのたび涙が止まらないんだ」とか。

音楽も、とてもいい。ゆわずもがな。この映画に流れる時間に、とても寄り添っていて、生きていくことに勇気が出る。切ないのだけど。

踏み出す一歩がわからないとき。ひとりで不安に打ちひしがれるとき。前に進めたのは「きみ」がいてくれたから、だよな。と重なる記憶が私たちにはあるんだろう、な。少なくとも、私には。
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