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ヒミズのrinのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
4.4
2021年3月11日
今日で東日本大震災から10年です。

原作の背景とは違うことは抜きに、この映画からは痛々しくも大切なメッセージが伝わります。

荒れ果てた被災地は、一瞬でも見れば息苦しくなります。
暴力を見れば、動悸がします。
息が詰まります。

観ていて辛かったです。

でも、こんな世界があること、こんなに苦しむ人がいること、それは決して他人事ではないこと、知らなければならない。

自分が誰なのかを見失った時、親に捨てられた時、家も家族も全てを失ったら、自分は生きていけるのか。親に死ねと言われ、死んで欲しいと頼まれて、あの時死ねばよかったと言われたら、
自分は生きていけるだろうか。

人を殺してしまった人は、最初から何の理由もなくそうした訳では無い。「何となく」と言うけれど、何かあったから変わってしまって、自分ではどうしようも出来なくなった時、恍惚の間に事は起きてしまう。
手を差し伸べる人がいれば変わったか、明日だったら何か変わっていたか。

人が変わってしまうきっかけとして、自然災害が挙げられるのなら、東日本大震災が挙げられるのなら、それはどうしようもない程惨い。
とても悔しいことです。


染谷将太と二階堂ふみの演技は天才的でした。
染谷将太は泥だらけになったり、絵の具を塗りたくる姿、そして「狂」と「無」は圧巻。
二階堂ふみの、詩のような台詞もまた良かった。
二人の台詞が結構響く。

東日本大震災にはメインで触れているわけではないが、切っても切り離せない関係。


頑張れ住田! 頑張れ日本! 頑張ろう日本。
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