サトシ

ヒミズのサトシのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
3.7
園子温監督の青春クライム映画。PG12作品。

東日本大地震後、家で貸しボート屋を営む中学生の住田祐一は平凡な生活を送ることを夢見ていた。父親は蒸発し母親と2人で貧しく暮らしている。
とある日、父親の借金の取り立てに来た暴力団から理不尽な暴力を受ける。
母親は中年男と駆け落ちして失踪したことを機に孤立無援となる。
しかも父親が金目当てに現れ、幼少期に川で溺れた時に死ねば良かったと言われ、衝動的に殺害してしまい取り返しのつかない事をする。
住田は普通の人生を送ることを諦め、「悪い奴」を殺すべく、夜の街を徘徊するようになる・・・。

[キャスト]
住田祐一:染谷将太
茶沢景子:二階堂ふみ
渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真起子、モト冬樹、黒沢あすか、でんでん、村上淳、窪塚洋介、吉高由里子など。

染谷将太の泥だらけの顔のフライヤーが印象的というだけで、漫画も全く未読で後回しにしていましたがようやく鑑賞。
「冷たい熱帯魚」に出演した園子温ファミリーメンバーが集結した作品ですね。
染谷将太、二階堂ふみが中学生設定には無理がありますが、2人の関係性が面白いので最後まで楽しめます。染谷将太はさすがに中学生という風格ではないですよね。冒頭の洗濯機で拳銃を見つけるシーンから、ラストにつながる展開は読めませんでしたし、「プラトーン」と同じ曲が流れてきたりハラハラさせられました。二階堂ふみのびしょ濡れのシーン、土手を転げ落ちるシーンは見事としか言えないです。あれだけ叩かれてよく耐えました。完璧なストーカーでこれだけ絡まれるとウザいと思われても仕方ないですが、途中から愛おしく思えてきます。
渡辺哲って本当に良い俳優です。この映画の中で存在感がピカイチでした。未来を託すというセリフは心に響きました。
でんでんがハマり役で登場してくれて嬉しい限りです。でんでんの暴力、説教シーンはツボなんですよね。
神楽坂恵が出演すると濡れ場があるのかと思いきや肩透かしでした。また吹越満と夫婦役でしたね。
窪塚洋介、吉高由里子ペアのチョイ役もあり良かったです。
これだけ知っている俳優が出演してくれると最後まで楽しく鑑賞できます。
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