Jumblesoul

愛しのシバよ帰れのJumblesoulのレビュー・感想・評価

愛しのシバよ帰れ(1952年製作の映画)
3.5
いつも思うけど、日本くらい飲酒行為に寛容な国はない。SNSで酒を飲んでるところを拡散して自慢しているのは世界でもこの国民くらいだろう。
自分のような愛煙家に対しては犯罪者のように厳しいのに、依存症になったら人を殺しかねない飲酒については見て見ぬふりをしているのは異常である。
というわけで、本作はアルコール依存症がテーマの舞台劇の映画化作品。
いわゆる酒を常時飲むのは人間のクズ的な描き方で、酒造メーカーが幅を利かせている日本ではテレビ放映されるわけもなかった隠れた名作である。
依存症から立ち直りかけ断酒クラブに通う指圧師と、頭の中が旦那と料理と過去の思い出のみという奥さんの二人が主人公。このいかにもアメリカンな奥さんがなかなかカオスな存在感で、喋り方等少し怖いくらい。
失踪した飼い犬が戻るのを諦める事と、過去を忘れて前に進もういう気持ちをリンクさせたオチはいかにも舞台劇らしい。来客用の酒瓶が、またキッチンの戸棚に置いてないか少し心配だけど。
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