ひげしゃちょー

岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇のひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

3.7
岸和田少年愚連隊シリーズ1作目は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったナインティナインを筆頭とした天然素材のメンバーを使って映画監督として油の乗っていた井筒監督がノリとテンポよく痛快に描いた学園青春グラフィティだ。 こちらはうってかわって東京ではまだ人気になる前の千原兄弟を使って『極道戦国志 不動』が注目されたばかりの三池監督が高校卒業後の大人になりきれない者たちの恋愛を軸に描いた切ない青春ドラマ。 配給が松竹からシネマ・ドゥ・シネマに変わっているところから恐らく予算も1作目よりもかなり安くすましているじゃないかと思う。 ノリに乗ってたナイナイと違いまだ大阪ローカル芸人だった千原兄弟に吉本興行が金を使うわけもない。 スタッフ・キャストを見ると実験的な企画だったんじゃないだろうか。 1作目とは全く違うので同じようなものを期待してみるとエラい目に合う。 そのせいか評価が著しく低い。 最後まで比較的真面目なトーンでいくと思いきや大事なところ(ユウジに落ちる雷のCGとか)で笑いを入れたりするので人によって好き嫌いが分かれるかもしれない。 1作目と別物として見ればなかなか心に染みる話になっている。 リイチに殴られる競輪場のおっさん役で三池監督本人も出てるし、イサミちゃん役で原作者の中場利一本人も出ている。