さすらい農場

図鑑に載ってない虫のさすらい農場のレビュー・感想・評価

図鑑に載ってない虫(2007年製作の映画)
3.6
[人生の方向性なんてつまらない事で決まっちゃうものなのよね]
今回の三木聡は、ユルそうでユルくない。シュールでアバンギャルドなギャグ職人の[裏の顔]を見せてくれます。
藤子F不二雄先生にもダークサイドが有ったように、これもまた三木聡の持ち味。

謎の都市伝説[死にモドキ]を探す突撃崖っぷちルポライターが潜入するアンダーグラウンドな世界。
小汚い松尾スズキ、病んでる菊池凜子、出てくる人達みんなどこか変というか異常。一番まともな主人公、伊勢谷友介の無駄に引き締まった二の腕が眩しい。
ハードボイルドというか怪奇的というか
[インスタント沼]のような微笑ましさは皆無なので、そんなムードを期待したらさざ波のように引いてしまう事でしょう。
[岡って字はアザラシに似てるよね]などと相変わらず[小ネタ]の洪水ですが、その中にキラリと光る人生観や死生観、哲学が紛れています。
[人には2種類あって
居なくなったら 居なくなるタイプと
居なくなっても 居なくならないタイプ…]
味のある言葉を、色々聞き逃してるかもしれない…?