ねぎおSTOPWAR

ブラックホーク・ダウンのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
3.3
WW1の「プライベートライアン」はじめ、朝鮮戦争を描く多くの韓国映画、WW2、そしてベトナム戦争を描く映画は数多い・・しかしそもそも<戦う理由>に違和感のあるものはほぼない。(理由が納得できてもそれが正しいとは限らない)

しかし最近の戦争映画は、イラク戦争の「ハートロッカー」、この作品もその<戦う理由>がわからない。なぜアメリカの兵隊も、ソマリアの人々も死ななくてはいけないのか?
時間を追うごとに「なぜ?」が増幅していく。親が「死んだ彼は勇敢でした」と聞いて慰めになると思うのか。世界の警察を自認するアメリカの国民の気持ちは計り知れないが、私は嫌だ。
このアフリカの内戦がなぜ起きたのか・・・欧米が植民地として侵略し、その縄張りを引いたことで、部族間に争いが生まれてしまったからではないのか?<テロリストたち>という位置づけそのものが醜悪。

さて映画として。ここまで戦闘シーンが長い映画もそうはない。ここまで緊張感を高めたリドリースコット監督は、「これは、観客に問いかける作品であって、答えを提供する作品ではない」と述べている。
ただただ戦場にいるのと同じような映像を作り上げ、観客にそこにいる気持ちになってほしかったということか。一瞬ではなく、ひたすら続くこの時間を感じ、そしてどう思いますか?と。

あとプロデュースのジェリーブラッカイマー、ヒットメイクが上手な、エンタテインメント側の人だと思っていました。