ひげしゃちょー

ザ・ブルード/怒りのメタファーのひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

4.1
サイコホラーではあるものの怖いかどうか問われれば怖くはない。 それよりも発想が変わっていて面白い。 『ラビッド』や『シーバース』も変わった設定のホラーだったがこちらもまた変わっている。 『裸のランチ』や『イグジステンズ』のような不条理なものではないので設定というより描写が変わっているのかもしれない。 『デッドゾーン』は紛れもなく正統派だがこれに比べると『スキャナーズ』なんかは正統派に思える。 ラスト付近に登場するノーラの腹から取り出す「怒りのメタファー」である生物の気持ち悪さったらない。 人間の持つ心の闇を描くというのはクローネンバーグの一貫したテーマなのだろう。 全盛期のクローネンバーグはやはり凄い。