極楽蝶

野性の少年の極楽蝶のレビュー・感想・評価

野性の少年(1969年製作の映画)
3.5
こういう映画をトリュフォーが撮るんだぁと思った。
原作をかなり忠実に作品にした科学映画のような感じ。一番気になったシーンは、野生児ヴィクトールが数か月間教育された後に逃げ出しても木から落ちてしまうしまう場面。ほんの短い間でも野生を失い、かといって人間の社会にもなじめない。ヴィクトールを預かり教育したイタール先生は、自分の知的好奇心から彼を引き取ったのか、あるいは人間の愛情を注げば野生児も普通の子供たちと同じようになるのと思ったのか? 恐らく前者で愛情などなかったのではないかなぁ。それから、ヴィクトールの首に刃物の跡があり、親に首を刺され、森に捨てられていたのではないかとイタール先生らが判断する場面も印象的でしたぁ。
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