なだ

野性の少年のなだのレビュー・感想・評価

野性の少年(1969年製作の映画)
3.7
フランソワ・トリュフォー監督初鑑賞🔰

1797年フランスのアヴァロンの森で発見された野生児を教育する事実に基づく物語。

野生児がリアルに見えて驚きました。
モノクロ、ドキュメンタリーを見ているような映像。非常に実直な雰囲気がして好感が持てました。

人の感情をあえて取り上げる芝居じみた部分はないが、少年を知的障害児とせず教育の欠如だと信じた科学者イタールの意地のような感情が日々綴られる記録によって表される。

親に捨てられた(殺されかけた)野生児はヴィクトールと名付けられ家政婦ゲラン夫人の愛情と人としての生活を受け入れていく。ミルクを「レ」(Lait)と言う声が可愛い。

イタールの科学者としての主張を証明する為の厳しい実験と芽生えた親心が見え隠れする部分がなんとも良い。

フランソワ・トリュフォー監督兼役者としてイタール役で出演。
スピルバーグが今作を観てトリュフォーさんに「未知との遭遇」の出演オファーをしたとか。
未知に対する科学者の毅然とした雰囲気が良かったのかな。

のんchanさまオススメのトリュフォー作品!面白かったです。他の作品も観たくなりました。ありがとうございます💗



【余談】
途中からストーリーが「ガラスの仮面」劇中劇「忘れられた荒野」に似ていると感じて調べたら、ガラカメの方は1920年にインドで発見されたオオカミ少女と呼ばれている「アマラ・カマラ」姉妹に着想を得ていたらしい。美内すずえさん今作も参考にしたんじゃないの〜⁉と感じることも…
本当に狼に育てられたのか信憑性がないこの姉妹、短命だったようです。
なだ

なだ