カッパロー

ハロルドとモード/少年は虹を渡るのカッパローのレビュー・感想・評価

4.5
死と、生と。

自殺ごっこに勤しむ主人公。お金持ちのぼっちゃんとして恵まれた立場にありながらも、日々を窮屈に過ごしていた。趣味の葬式巡りをしているときにとある老婆と出会ったことで、人生が変わっていくーーー

死に憧れる若者のハロルドと、生を愉しむ老婆のモードの対比。異なる意識に前駆されつつ、二人が出会う場として設定された葬式が味わい深い。

『真夜中の青春』にも見られた金持ちへの皮肉めいた目線はハルアシュビーの作風なのかな。単純にコメディーとしておもろかった。お見合いの女の子をビビらせる自殺大喜利はちゃんと笑った。

ボーイミーツガールならぬ、"ボーイミーツおばあちゃん"な物語も好き。最後は少し突飛なところに着地するけれど、全体に漂う(良い意味で)浅薄な雰囲気が違和感を防いでくれていたように感じる。
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