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十三人の刺客の映画みますのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
4.5
【備忘録】

13人対300人

「斬って、斬って、斬りまくれーーー」

1963年、片山千恵蔵主演、同名チャンバラ痛快活劇映画のリメイク版。
三池崇史監督がバージョンアップしてお届けする今作では日本映画界を牽引する役所広司が霞む程の 暴君松平斉韶を演じた稲垣吾郎ちゃんの怪演が話題になりました👍🏼

公開当時、斉韶の残虐非道な振る舞いがグロ過ぎてショッキングな映像に心震えたおぼえがあります。

権力を傘に理不尽な殺戮の限りを尽す暴君の暗殺を以来された御目付役島田新左衛門に、一揆を企てた首謀者の娘が慟哭するシーン。

目の前の絶し難い光景に思わず「笑う」新左衛門。

鬼畜の所業を目の当たりにして体中が震えたことを悟られた恥ずかしさと
やり場のない憤りと
主君を討つ覚悟が出来た瞬間の感情と
侍としての死に場所を見つけた喜びと
追い詰められ後戻り出来なくなった人間の
ありとあらゆる感情が同時に噴き出した「笑い」の演技が素晴らしい👏

新左衛門の甥、島田新六郎(山田孝之)が仇討ちへ向かう朝に見送りの芸妓に遺すセリフ

「すぐ帰る。帰りが遅くなったら、盆に帰る。迎え火を焚いて待っていてくれ。」

武士の...日本人の魂をみるセリフに涙がほろり😭

昭和のスター、故松方弘樹さんの殺陣シーンは必見👏

難を言えば50分にわたって繰り広げられる戦闘シーンが長すぎるのと、13人の全員の背景がしっかり描かれていれば満点でした

しかしながら、時代劇作品苦戦の中なんとも見応えのある作品に仕上がっております