天下のスティーブ・マックイーン
物語のテーマは復讐劇だが、成り行きながら場所や場面がどんどん変わる、西部劇とは言え、一種のロードムービーとも言える変わった作りだ
俳優とは半生をフィルムに残す事が出来、時を経ても色褪せない
そして、後世から順を辿らずに作品に出会うと、その俳優がスターとして認知してても、役柄によってはまるでデビュー作なのかと錯覚するような時がある
本作で言えば、既に「荒野の七人」「大脱走」等でスターの座を確立していたマックイーンだが、とても若く弱々しく見せていて、同年には「砲艦サンパブロ」で勇ましいマックイーンらしい役柄を演じ分けている
そのアクションや、余りの格好良さに目が行きがちだが、演技がしっかりしているからこそのスーパースターなのだ
「パピヨン」や、晩年の「トム・ホーン」等はその際立った作品だ
また、新しいマックイーンを見れて得をした気分だ…
これは、アル・パチーノが「ゴッドファーザー」のPART Ⅰと、PARTⅡの間に「スケアクロウ」で全く違う役柄を演じてた時の驚きを思い出した