SHOHEI

ジュニアのSHOHEIのレビュー・感想・評価

ジュニア(1994年製作の映画)
3.6
大学で妊娠薬の研究をするアレックスとラリー。しかし彼らの研究は中止を命じられ研究所の後釜にダイアナが移ってくる。実験を諦めきれないラリーは帰国しようとするアレックスを説得。彼はダイアナの持っていた凍結卵子を盗み妊娠薬とともにアレックスに投与する。やがてアレックスの妊娠が判明し…。

シュワルツェネッガーが妊娠をするインパクトあるコメディ。『ツインズ』でのバディ、ダニー・デヴィートと再共演し、アイヴァン・ライトマンが監督を続投。当時は難色ある題材だったと思うが今日ではポリコレの先駆け的内容で受け入れられやすいのでは。作風そのものはシュワとデヴィートのユーモアな演技で魅せるライトなもの。次第に妊婦に見られる行動をとり始めるアレックス。彼は母性に目覚めて出産を決意する。製作当時はギャグ以上でも以下でもなかった内容が今では異なるテーマ性を内包してしまっている。妊娠という女性のアイデンティティを男性が担うことに対しある人物が「神への冒涜」と発言するが「確かにそういう見方もあるな」と見えていなかった考え方の切り口にハッとした。90年代当時の作品なのでそれ以上は切り込んでこないが、多様性に対する思考を促すきっかけとして作品の意義は見出せた。
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