爆裂BOX

ハードカバー/黒衣の使者の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ハードカバー/黒衣の使者(1988年製作の映画)
3.1
古書店で働くヴァージニアはマルコム・ブラントという作家が書いたホラー小説を読み耽るが、やがて彼女の周りで小説通りの連続殺人が起き始める…というストーリー。
「ザ・ゲート」のティボー・タカクス監督によるオカルト風味のサスペンスホラー。ホラー・マニアックスのBDで鑑賞しました。
古書店で働く美女ヴァージニアが変人ホラー作家が執筆したホラー小説を夢中で読み耽るうちに、小説の中に出てくる怪人が現実に現れ、彼女の周囲の人間を殺していきます。
虚構と現実が混ざり合っていくような展開になっていきますが、前半は殺人シーンも直接的なシーンがほぼなく、展開も冗長に感じられる所あります。でも、最初の犠牲者が霧に包まれた中を帰宅していき、それを追い掛ける殺人鬼のシーンなどゴシックな雰囲気は好みでした。
ヒロインヴァージニアを演じたのは「ニア・ダーク・月夜の出来事」で美貌の女吸血鬼を演じたジェニー・ライトですが、知的な美貌が役柄にハマっていたと思います。恐怖に怯える表情も美しくて、殺人鬼が夢中になるのも頷けますね。
特撮マンであるランディ・クックが特殊効果と殺人鬼役を担当してますが、耳と鼻と唇を削いでいて、そのパーツを犠牲者から奪って顔に埋め込んでいる姿は中々グロテスクで良いですね。
冒頭と終盤に登場するジャッカルボーイがカクカクストップモーションアニメで表現されていていい味出していました。ちょっとタカクス監督の出世作である「ザ・ゲート」に登場する小悪魔ミニオンに似てますね。
後半のジャッカルボーイと殺人鬼の対決もストップモーションアニメで表現されていて楽しめました。結構ブンブン振り回されて壁に叩き付けられても反撃する殺人鬼と体切断されても上半身だけで襲ってくるジャッカルボーイのタフさも良かったですね。
結局この事態が起きたのはヴァージニアにそういう能力があったからなのかな?メイキングで監督達は「想像力が豊かすぎたから」と言ってましたが。
ジャーロ風味な所等それなりに楽しめる作品ではありました。