イマフクショウキ

秒速5センチメートルのイマフクショウキのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.0
「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の短編3話で構成される作品。
話は繋がってるし時系列順なので、1つの長編と考えても無問題。

新海誠監督作品でおそらく一番好き。

この作品は新海作品の中でもSF色が薄い。
(ロケットの件くらい)
これだけSFじゃないのはこの作品と「言の葉の庭」くらい。

新海監督の描くSFに特段新しさも感じないし、好みでもないので魅力を感じないみたい。

だから、こういう風景描写とか心理描写に特化している方が刺さる。

「時間と距離」が大きなひとつのテーマ。
桜の花びらがひらひらと落ちる速度から、宇宙探査機が太陽系外に向かう速度まで、全く異なるスケールの事柄をメタファーとして取り入れてて、流石に巧い。

山崎まさよしの「One more time, One more chance」が良すぎるので、これだけで大きく加点したい笑

流れるタイミングも完璧だし、タイトルと同時に曲が流れるのは「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」に引き継がれてる。

新海誠の作家性みたいなものがはっきりと浮かんできたのも、この作品からだと感じたので、新海誠を語る上で欠かせない逸作。