焼きぷりん

ラスト サムライの焼きぷりんのレビュー・感想・評価

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
4.0
明治維新後の日本、近代化には強い軍隊づくりが不可欠であった。元軍人のオールグレンは、政府に雇われて軍の訓練指揮を執るが、間もなくして士族反乱に巻き込まれる。勝元率いる反乱軍に敗北を喫し、生かされたまま彼らの暮らす村へと連れ去られてしまう。

武士道の死生観。常に死を意識して、瞬間を後悔なく、恥じないよう生きる。作中では、武士の誉れや尊厳をやや誇張気味に描く。もはや偶像的なくらいなのだが、切腹という異様で理解されにくい文化でさえ、ただの残忍な処刑ではなく、尊厳ある行為という見せ方が出来ているのは素晴らしいと感じる。

異国情緒。敵地に連れ去られ、初めは警戒していた主人公。しかし、彼を丁重にもてなしてくれる人たちに、次第に心を開いていく。言語の壁や文化の違いに戸惑いを見せながらも、少しずつ理解し染まっていく様子は、なかなかに微笑ましい。

迫力の殺陣や合戦。刀や弓を使用した勇ましい戦いぶり。負け戦であっても、誰一人として逃げ腰にならないで立ち向かう。それが『サムライ』なのか…。終盤の合戦はドラマとしても、アクションとしても質が高く、物凄く見応えがある。

日本の文化的な面について、多少違和感を覚えるところもあるが、ほとんど気にならないといっていい。刀で戦う侍は、はっきり言って時代の残党なんだけど、筋を通し続けるってカッコいい生きざまよなあ。
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