Kumi

ラスト サムライのKumiのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

あたしが一番好きで何回もリピートしてる作品。歴史物×アクション×渡辺謙×真田広之と来れば、観ない訳にいかないでしょ‼︎

でも実は初めて鑑賞したのはカナダにホームステイしてた頃なんです。
もちろん日本語字幕なんかなくて、トム・クルーズと渡辺謙、その他キャストの英語での会話は理解するのに一苦労だったけどカナダでのホームステイ経験でなんとなーく言ってることや伝えたい事は理解できた。帰国後、日本でDVD発売されてからソッコーDVD買いました!

この映画の見どころはなんと言っても渡辺謙の渋さとリーダーシップと信念の強さ。
そして真田広之の見事な剣術。
撮影中の逸話として、真田広之の剣術がすごすぎてトム・クルーズが目立たなくなってしまうからと大幅にカットされたそうな。

海外の作品が描く日本の映画はツッコミ所が満載だけど、ラストサムライに限っては大筋サムライや武士道に対するリスペクトと忠実さが感じられる。
どうやら撮影中に真田広之が日本人の観客が見ても違和感ないようにアドバイザーも兼任してたとか。

トム・クルーズ作品の多くはもちろんトム・クルーズがヒーローで一番目立ってるけど、ラストサムライに限っては渡辺謙と真田広之の活躍がキラリ。

あと、トム・クルーズのそばにずっといた寡黙なサムライもいい味出してた。

あたしが一番好きなシーンは中盤。
村の祭りでみんなで楽しんでる時に敵対する政府(実質は大村財閥)の刺客の忍者が村を襲うシーン。

それまで村人の間ではトム・クルーズは政府側の捕虜で信用されてない部分も多かったけど、この時に渡辺謙、真田広之ほか村の侍と共に刺客を撃退してから村人に信頼されたシーンかな。

それぞれのアクションシーンも素晴らしかったし、戦力としてはまだまだ未熟な飛源(トム・クルーズが政府側に雇われて渡辺謙の一群と戦った時にトム・クルーズが殺した広太郎の息子)が力になりたいと刀を持って戦おうとする姿、小雪(トム・クルーズが殺した広太郎の妻)が女性ながらトムの危機を救うため隠し持っていた短刀で刺客を撃退する姿。

この出来事で村人の信頼を得たトム・クルーズ。渡辺謙の元に天皇から東京へ行くよう通達があり、トム・クルーズも一緒に東京に行くこととなった際、渡辺謙が預かっていたトム・クルーズの日記(主に戦場での体験や苦悩を綴った日記)を返すシーンは信頼している心情の表れだと思う。

最初は捕虜として渡辺謙の村に滞在していたトム・クルーズだったが、徐々に侍の生活、文化に触れて心の平穏を取り戻す姿は素晴らしい。

負け戦が確定しているにも関わらず最後まで戦うとして挑んだラストシーンの政府軍VS渡辺謙一同。

トム・クルーズがテルモピュライの戦いの例を出し、兵力で劣っていても善戦できることを渡辺謙に話、なおかつスパルタが全滅した結果を伝えると「名誉ある死だ」として士気が上がる渡辺謙との会話はスパルタと武士道の精神が繋がる象徴的な会話だったと思う。

戦いが終わり、最後に生き残ったトム・クルーズが天皇に渡辺謙の刀を献上するシーンは感動的。
天皇は近代化推進だけど、結局は大村の言いなりだったのに、初めて自分の言葉でトム・クルーズとかつて自分の師だった渡辺謙の死を痛み、伝統を守ることも必要と気付いたシーンも象徴的だったな。

ただ、あたしの中での残念なシーンは
はじめての政府軍VS渡辺謙一同の戦いの時、トム・クルーズをこの仕事に誘ったガントがあっけなく殺されちゃったのと、元侍ながら政府軍に使え、最初の戦で敗北し、侍として「負けて生きるのは恥」という武士道に則り切腹するシーン。

あと、最後の戦に向かうトム・クルーズにトム・クルーズが殺した夫の甲冑を着せた小雪。その過程でキスしちゃうんだけど、その時代の女性はいくら旦那が死んでも他の男性とキスするなんてご法度なハズ。
でも、そこらへんは映画の演出ってことで許します。笑
Kumi

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