このレビューはネタバレを含みます
【あらすじ】
大富豪ブルースウェイン。
彼は子供の頃に両親を殺され、どうにかして悪を裁きたいと考えるようになります。
悪を倒すには悪の心を知る必要がある。
そう考えたブルースは世界中を放浪し、世捨て人のような生活を送る中でデュカードという男に出会い、悪と戦う術を学びます。
そして、数年後。
彼は故郷の街を救うべく、悪が恐れる象徴として舞い戻ります。
そう、バットマンとして。
【こんな人におすすめ】
じっくり丁寧に進むお話が好きな人。
ダークナイトシリーズにハマった!
【感想】
クリストファーノーラン監督の作品全般に言えることですが、この映画も見返すことで何度も発見のある映画に仕上がっています。
初見ではきっと地味な印象を抱くと思われますが、続編のダークナイトや完結編のダークナイトライジングを視聴すれば、
「この作品が存在しないと二作品とも成り立たない!」
と、きっとそう思える映画です。
なぜならこの映画はシリーズにおいて起承転結の起の部分を徹底的に描いているからです。
ブルースの生い立ち
バットマン誕生の秘話
ジョーカーやのちの悪役たちにつながるエピソード
ヒロインとの関係性
ブルースの信念
始まりを丁寧に描いているのでゆったりして地味な印象を受けるかもしれません。
けれどもほんとうにこの一作品目が無ければ後の作品の感動も十分に味わえません。
この作品を象徴する名言
「人はなぜおちる? はいあがることを学び取るためだ」
は最後の最後までブルースにとって大切な言葉になり、観ている私たちにとってもどんな逆境においても希望があるんだと信じさせてくれる素晴らしいセリフです。
このセリフがあってこその三部作だと私は思います。
他にもブルースをささえるアルフレッドの言葉。
「まだ見捨てないのか?」
「もちろん」
といったやりとり。
アルフレッドとブルースの固い絆が感じられますが、それがのちの作品であっと驚くことになるとは、この映画を観た時は思いもしませんでした。
そんな、のちの作品へのバトンタッチが随所に散りばめられている映画です。
三部作を観終わったらまた一作目のこの作品をみかえして、
ああ、ここはこう繋がるんだ
この言葉には、この展開にはこういった意図があったんだ
そんな風に振り返って楽しむのがこの映画の醍醐味です。
ぜひぜひ!!
名作ダークナイトをこれからご覧になる方にはこのビギンズから視聴していただきたい。
そんな風にお勧めしたい映画です!