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バットマン ビギンズのKANIOのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
5.0
新生ダークナイトトリロジーの1作目。
「口元以外を隠すヒーロー」のキャスティングで「喋るときの口元が印象的な俳優」を採用するのはどういう了見だって感じなのだが、クリスチャン・ベールのバットマンは個人的に割と好き。
クリスチャン・ベールが声を潰してまで出したバットマンの声はそれなりにクールだし(本国では不評らしい……)、現代でミスマッチすぎない尺度の設定にまで落とし込んだゴッサムの世界観も良く出来ている。
バットマンをリブートするにあたって、往年の名作である『イヤーワン』や『ダークナイトリターンズ』をベースにしつつ、後のコミックに影響を与える程に大胆な設定改変も行っている。
実際にバットマンのビギンズにここまで焦点を置いて描いた実写映画は今作が初であり、ブルース・ウェインがバットマンになるまでの過程は面白い。
そして最後のジョーカーの存在を示唆する幕閉めが最高。シュマッカー版バットマンの最後の画面に向かって走ってくるコミック的な終わり方とは違い、現代的でドラマチックな区切り方が熱い。
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