バーサス

バットマン ビギンズのバーサスのレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
3.5
悪のはびこるゴッサムシティに平和をもたらすダークヒーロー「バットマン」の誕生秘話とその活躍を描いたアクション映画。
僕の好きなところ、不満点が共にはっきりした一作であった。

まずはその映像美とアクション。モノレールとウェインタワーを中核としたゴッサムシティの街並みがめちゃくちゃ美しい。そしてそこから繰り広げられる豪快なアクションが見ていて清々しい。
次に心に刺さる名言のオンパレード。人は行動で決まる。人はなぜ落ちるのか?這い上がるためだ。といった名言を筆頭に台詞回しやストーリー内でのセリフの関連付けが上手い。
また細かな演出にも注目。子どもにちょっと優しかったり、応用科学部の多彩なギミックの装置たちも見ていてニヤニヤできる。

ここから不満点になるが、序盤30分の、クリストファーノーランお馴染みのややこしい時系列のストーリー。これ別にバットマンでする必要なかったでしょ。バットマンの生い立ちも無駄に壮大というか…もっとシンプルでよかった気がする。一言で言うと序盤(過去編)が長ったらしくてわかりづらいのが一つの不満。お前の理解力不足だろと言われたらそれまでなのだが、逆に時系列をここまでいじる必要性を問いたい。また、表でのブルースウェインの無理な振る舞いにもモヤモヤを感じた。最後に敵の魅力がない。アメコミでこれはダメでしょ。

ストーリー、映像、音楽含め映画としての作り込みは素晴らしいが、アメコミとして楽しめるかと言われたら何だかなーって感じだった。ちょっと違えばかなり好評価できたと思うと非常に惜しい。