サラ

おろしや国酔夢譚のサラのネタバレレビュー・内容・結末

おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今となっては故人となってしまっている名優たちが豪華出演している、
大作のロシアの俳優さんとロシアロケに加え、俳優さんもロシア語いっぱい駆使した(吹き替えに聞こえないから多分実際に喋ってると思う)
セリフに苦労しただろうなぁという実話を基にした映画。
(原作は井上靖による長編小説だそう)
主役級で出てる中で今も現役バリバリなのは西田敏行さんくらいなのだろうか?

鎖国していた時代に嵐で漂流してロシアにたどり着くものの、日本に帰る事がなかなか出来ず、広大な極寒の地・ロシアで苦労してロシア語を覚え現地で暮らし帰国を夢見ながら様々な事を知り、体験をする…という話だけど。

実際に当時の女帝、エカテリーナ二世に会ったのは本当らしく、事情を聴いて「かわいそうに」という言葉をかけてくれたという話も何かの本で読んだ。(映画でもそういうシーンあったけど、エカテリーナ二世役はさすが威厳があって、演じたのはロシアの大女優に違いない。)

当時の「対外関係委員会議長」とやらがあのプーチン氏だと知ってうへぇ、と複雑な気持ち。どんな事してたのか知らんけど。

苦労はしたけどロシアでの待遇はそこそこ良かったらしく(寒さで仲間を沢山亡くしてしまったけど)友人となる学者のバックアップも受けられるようになったり、苦労して頑張ったのに帰国したらめっちゃ冷遇・犯罪者扱い幽閉(危うく死罪は免れた)のが悲しい。
それでも後々家族を持てたりしたのだからまだ救いはあるのかなぁ。
ロシアに残った仲間は日本語教師になったりしたしね。

飛行機も通信機器も何もない。鎖国してた時代だし、ましてやこの映画の主人公は一介の船乗り。ロシアに行くまで何も知らず、地球儀も見た事なかった。
昔の人の苦労があるから今の私達は世界の情報を(多少なりとも)知ることが出来るようになったんだよね…とか色々思いました。

帰国して会ったお役人(?)の江守徹さんが若い!のがびっくりした。
こんな映画作ろうと思ったらすっごい大変だと思う。
メイキングとかセリフどうやって覚えたんだろうとか、なんかあったら知りたいと思ってしまった。

ロシアに行ったことはないけど、エカテリーナ二世が作ったというエルミタージュ美術館には行ってみたいなぁ。と関係ない事を思いました。
あと夏の離宮ね。
サラ

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